香川県高松市の讃岐五剣山から望む北西には、銘石・庵治石の丁場群が連なります。採石場からは、最高級の石材“庵治石”が産出されます。
結晶の緻密な結合により、固く長年にわたり加工後の美しさが保たれる庵治石。
庵治石の特徴、まだら模様「斑」には他の花崗岩では感じられない様々な風合いは他には類がなく、四季を通して見せる庵治石の様々な表情と相まって、日本人の心に深く染み入ります。
庵治石の歴史は非常に古く、平安時代後期から採石・加工され、遠く京都まで送り出されていました。庵治石の故郷は、山の全域が花崗岩の層で成り立っている八栗五剣山。庵治石は風雪に耐える堅い石質、優美な光沢と色など、数々のすぐれた特徴を備えていて、銘材庵治石の名は、今や国内だけでなく世界に広く知れわたり、高い評価を受けています。そして、これは石質のすばらしさだけではなく、石材加工技術の優秀さも大きな役割を果たしています。すばらしい石工芸品のふるさと庵治と牟礼。採石と加工の技術と精神は、誇りとともに行きつづけています。
庵治石は花崗岩の一種で、地質学的に「黒雲母細粒花崗閃緑岩」に分類されます。石英、長石、雲母、角閃石を含む硬い岩石で、結晶が極めて小さく、結合が綿密なため他の花崗岩と比較してもより硬いのが特徴の一つです。庵治石は細目(こまめ)、中細目(ちゅうこまめ)、中目(ちゅうめ)に分類されます。細目は小さな黒雲母の数が多く、磨けば青黒い細かな「紺すがり」のようになります。その上、最大の特徴は「斑(ふ)」または「ぼたん」と呼ばれる現象がおこり、指先で押さえて、湿り気、うるおいを与えたような、まだら模様のあることで石の前面が二重の「かすり模様」を見せます。このことは、世界中の石材の中でも類がありません。中細目、中目は黒雲母の数が少ないので、細目と比較して白く見えますが、硬度は同じです。また少量の白雲母が混じっているので、銀粉を吹いたような輝きを見せるものもあります。庵治石は他の花崗岩では感じられない四季を通しての様々な表情を楽しませてくれます。春のほのぼのとした日差しによって際立つ透明感のある青空。夏には暑さを凌ぐ優しさを兼ね備えた躍動感、秋には紅葉と共に深みを増した風合い、冬には静寂と暖かさを感じさせてくれます。日本の風土で育まれた庵治石は日本人の心の石でもあります。
■天然石につき色調、模様が石により多少異なる場合がございます。
■撮影、表示環境の関係で実際の色とは異なって見えることがございます。
太元屋では石材に関して「産地証明書」を発行いたします。
近年、食品の原産地表示等の問題が大きく取り上げられています。食品だけでなく、衣類や木材などあらゆる分野において消費者の皆さんは、「購入するものについて正確な情報が欲しい」「安心に買い物をしたい」と考えています。
墓石に関しても例外ではありません。むしろ、そうそう買い換えるものではないだけに、どこで産出された石材かきちんと、表示されていることが要求されます。
石材産地証明は、そうした消費者のニーズにお応えするものです。
一般社団法人日本石材産業協会が独自に発行しているもので、墓石などを安心して購入いただくために原産地や原石名、加工者名、施工社名が明記されています。石にも産地偽装などという悪質な事例も報告されてきますので、ご購入の際にはご注意ください。
※証明書にはシリアルナンバー入り、管理されています。
※石材産地証明書は国内産の場合は採石者が、外国産の場合輸入業者が(ー社)日本石材産業協会の協会員であることが条件で発行されます。
※(ー社)日本石材産業協会が一定の物性データを調査した石種に限り発行されます。
※産地証明書は石材の原産地を証明するものであって、製品の品質を証明するものではありません。